Project アイディア04 エイジフリーの提案

昨今の住宅事情・・・というより、一般的な事情。それは高齢化社会ということ。私くらいの年代(30代後半)から考えることは自分の『親』のことですよね。その年代はだいたい60〜70代くらいでしょうか・・・。私の友達の多くから『いつかは一緒に住まないと・・・』という言葉をよく耳にします。

『いつか』とはいつか?それは、『親がどちらか一方になったとき』『動けなくなったとき』が多いと思います。
実際、高齢の方に聞くと『元気なうちは自分で生活したい+動けなくなったら同居したい』という話をうかがうことができます。

これからご紹介するのは、ご夫婦2人とお母さんの3人の家です。ご夫婦は40代後半、お子さんは独立して、1人暮らしだったお母さんと一緒に住むという目的で計画されました。

少しだけ足の不自由なお母さんのためにエイジフリーを目指します。

エイジフリーとは、バリアフリーと同様ですが、バリアフリーが子供や高齢者、身障者の為というのであれば、エイジフリーは年齢に関係なく快適に過せる空間ということと解釈してください。

計画はもちろん平屋建。アプローチにはスロープを設けて車椅子に対応できるように。冬は積雪の為、車椅子は難しいということで、車での外出時に寒くないようにキッチンからガレージに直接入ることができます。


建物外観パース(昼間)
シューズクロークを広くとっているのは車椅子を収納できるようにするため。円形のリビングは、家の中に居ることの多いお母さんが1日を感じられるように考えられました。当初はリビングで食事をと言われていましたが、足の不自由な方にはダイニングテーブルの方が楽ですと勧め、スペースをつくりました。お母さんの寝室は仏壇がある和室とつなげ、尚且つトイレに近い位置に。和室を開け放つとキッチンやリビングとも交流がもてます。これは、もしお母さんがベッドで過すようになったとしても孤立しないように、また介護に目が届くようにという配慮からです。想定したくないことでも事実として受け止めることが必要だと再認識したプランです。

建物外観パース(夜間)



平面図

室内通路の巾は壁の内々で1m。これは手摺をつけても車椅子が通れる巾です。トイレも同様に介護がしやすいように広くとっています。室内の建具は全て引戸で計画。これは、車椅子からの開け閉めを考えた結果です。

洗面脱衣室にはベンチと低い位置に収納棚を配置してお母さんが使いやすいようにとの配慮も。『いつかは自分』という考えもあり、自分なら・・・を取り入れています。

設備もお母さんが一人のときでも安心なようにオール電化と換気システムを採用し、安全でクリーンな室内環境をつくります。照明のスイッチやインターホンも低い位置に設置。お孫さんが遊びに来ても大丈夫です。

でも、エイジフリーだけを考えすぎてデザイン性の無い家になってしまっても困りますよね。みんなが快適に住むことができる家が理想です。室内は木の羽目板とレンガタイル、掃除のしやすいビニルクロスを併用し、メリハリをつけています。(イメージパースのため、実物とは若干異なります)


玄関からの和室

リビングから和室

ダイニングからリビング

和室からリビング

年代別に住まいを考えると、平屋建、2階建、スキップフロアなど、様々なプランがあります。その中で今の自分と将来の家族を思い浮かべ想像して住まいづくりを始めましょう。住まいと家族は永い時間をかけて一緒に成長するのですから(^^)


一級建築士事務所 設計処 櫻