別荘地にはご用心 その1
「北海道で自然と共に素敵な生活を!」
なんていう電車の中吊り広告を見たことが有りますよね?
退職や転職を機に北海道に移住を・・・とか
自然溢れる大地でペンションを経営・・・
なんて思ってらっしゃる方も少なくないはず。
でも・・・ちょっと
待ってくださいね(^^;
いや〜、私も余裕があったら温泉のでる土地に家を建てて好きなときに温泉三昧♪
露天風呂も作って雪見酒〜♪なんて思っている人間です (^^)
良いですよね〜、人に覗かれることがないくらい広い敷地でお風呂に入っているとキタキツネやエゾシカが見られる〜なんていうのに憧れます。熊は嫌ですけど・・・(^^;

土地の価格は色々ですけど、釧路近郊では温泉付き分譲地でだいたい3〜5万円/坪くらいでしょうか?それに管理会社(開発会社)への温泉使用料(月額1〜2万円)がかかるといった形態が多いようです。
200坪の土地でも600〜1000万円で買えちゃう都会から見たら夢のような価格(爆)
大自然と低価格、都会からの移住者が多いのもわかります(^^)

でも、この分譲地・・・購入にはちょっとだけ気をつけないといけない事があります。
そこで、設計者としての
経験談をば・・・(^^;

事の始まりは一本の電話「ねぇ!ペンション設計しない?」
某国立公園内の某施行会社にいる友達からの電話に、私は「する!」と即答!(^^)

話を聞いてみると、オーナーは都会のS市に住んでいて移住希望地である某国立公園内の○町、有名な△湖の湖畔に現金一括で土地を購入し、購入先の会社から紹介された×設計事務所に夢のペンション設計を依頼していたそうで・・・。
ただ見積金額の折り合いがつかない、事業融資に問題がある・・・とのことなのですが、どうも変!建設費用の融資が住宅金融公庫でど〜のこ〜のってことらしい。
ほにゃ?ペンションは住宅ではないから、オーナー住居部分以外の融資は住金では受けられないと思うけど・・・国民生活金融公庫の間違いじゃないですか?(^^;

実は、ある日、オーナーは銀行(ようは公庫)から「これでは融資はできません」と突っぱねられたそうで、何が何だかわからないまま憤慨したオーナーは「私の収入が不足しているんですか?何が原因なんですか?」と銀行へ直談判。このオーナー、かなりの高収入ですから断られたのが納得できない。

銀行「いえいえ、
収入とかじゃなく、この設計はどうみても住宅じゃないでしょう?」(^^;
事情を知らないオーナー「はい。
ペンションです!」 (^^) (笑)

ようは、この事務所、何を思ったのか大家族が住むような家(?)の設計で『
住宅だ!』ってことで『住宅金融公庫』の融資申請をしていたらしいのです・・・
こりゃ参った!というより何それ?(^^;

ということで、土地販売会社から紹介された施行会社と設計事務所に
不信感を持ったオーナーは自力でペンションの事業計画を立て銀行からの融資を取り付け、施行会社を探し・・・そこから私に以来があった・・・というわけです。


話があったのは、確か雪が降り始める頃でしょうか...で、竣工は3月中、準備期間を経てオープンはゴールデンウィークって事で・・・こりゃ急がないとたいへ〜ん (^^;

プランを練りながら調査を開始。前の設計事務所が描いたという設計図書も入手。
う〜ん、こりゃ完璧、住宅じゃないじゃん(爆)

要望は
ログハウスのような感じで部屋数は家族対応の部屋が3室、各部屋にトイレを付けて、ダイニングは吹抜けで明るく・・・暖炉が欲しい。自分達が住む3DKの住居部分が必要。お風呂は内風呂と露天風呂で、時間予約で家族風呂として利用。離乳食も対応し、HPも開いて、できるだけファミリー客を動員する・・・等々。
話し合いをしていくうちに
が膨らんでいきます(^^)
予算が厳しいことを除いて、問題は無いかのように思われました。


現地調査に行くと・・・土地の図面(販売業者作成)とほぼ同じ感じ・・・実は現地調査の前日に雪が降ってしまってよくわかんない。雪が無い状態で見たかったな〜(^^;

ただ・・・なにやら、道路が途中で切れてる?っていうか、
道路が有るはずのところに木が生えてる。それに、売買契約では敷地は木を伐採してある程度整地しているはずなのに、現況は切り株がそのままで整地用の砂利と思われるものが山と積まれている。その状況を一応オーナーに報告し、着工までには整地してもらうことにする。道路もとりあえずは確認申請には影響が無い(角地だったのでもう一方の道路で接道はOK)ので、着工までに整えてもらうことにしました。


インターネットを利用するなどして、プランはどんどんまとまっていきます。
まぁ、ドンドン進まなきゃオープンに間に合わないし・・・(^^; 
排水は
浄化槽で良いということ(販売会社に確認 ※1参照)なので・・・
それに基づいて設計!いざ確認申請提出!

ひと通りのことを終えてホッとしているのも束の間
施行会社から浄化槽は
ダメってことに・・・ど〜いうこと?(^^;

話を聞いてみると、この地域では浄化槽からの排水は下水道管は近くの河川に放流しなければならず、ここは
下水道管が入っていないから・・・とのこと。

売買契約時に口頭で説明していた下水道管が入っているというのは
大嘘(重要事項説明違反じゃん!)。実際は管なんて入ってないんです。あらら・・・どうしましょ。んじゃ、浸透させましょ!ということで町役場に相談。でも「浄化槽からの浸透はダメです」の一言で却下。「この先の河川になら放流できますよ」って言うけど、それって数キロ先じゃん。そんなの予算的にも技術的にも無理。そんな馬鹿な〜(TT)

私の記憶から言うと、合併処理浄化槽からの敷地内浸透は認められてる事例もあるはずなんだけど・・・どなたか、そんな事例知りません?(^^;

だいたい、河川に放流していいものを敷地に浸透させて何が悪いのさっ!?等々
すったもんだの交渉の末、役場の担当者は「汚水は便層で、雑排水は浸透で・・・通常の形であれば問題ないですよ」と当たり前のことを言ってくれちゃうし・・・それでも、各部屋のトイレに窓をつけてないから
設計変更じゃん。まぁ予算上、そうすることでしか解決できないみたいだから仕方ないけど・・・。

ということで、設計変更に着手・・・だって、仕方ないじゃん。(TT)
オーナーには事情を説明し、解決方法を伝え、納得して頂いた上でいざ変更
・・・なんだけど
絶対に変!湖畔の土地で便層はともかく、
雑排水を浸透処理なんてしたら環境破壊もいいとこでしょう?なんでそんなこと認めるのかな〜?スッゴク不思議に思うのは私だけかしら?(^^;

そんなこんなで町役場の方々と色んな話をしたんですけど、こういうことの
苦情トラブルがとても多いんだとか・・・そりゃそうでしょ、小規模の乱開発(読んで字の如し乱れた開発行為ってこと)を黙認してるんだから問題もあるでしょ〜みんなお金をかけないように造成して売ってるんだから。
ということで、この○町役場では、
町の条例を作って対処したいと申しておりました。
条例が1日でも早く制定されることをお祈りいたします(^^)
(もうできたのかな?)

※1 この地域では上記に書いたような乱開発が多く、管の引込が町の図面に記載されていないことが多いんです。本道からの引込まではわかるんですけどね。なぜ乱開発が多いかというと、規制する条例が無く、都市計画上の開発行為にかけるしかないからで、なぜ開発行為にかからないようにするかと言えば、都市計画上の色々な制約がある為、時間と費用がかなり必要となり、分譲地の価格が高価になり結果的には売りづらい土地になる為だと思われます。開発行為にかけないと3万円/坪の土地がかけると5万円/坪くらいになってしまった実例もあります。
なぜ、そんなに違ってくるのか・・・その背景はまた後日・・・(^^;


ということで、設計作業と見積り作業が着々と進んでいきます
はたして夢のペンション経営はどうなるんでしょう?(^^)

つづきはこちらから

この物語はノンフィクションですが、かなりの部分に私の主観や感情が大いに盛り込まれていますので、使用上はご注意ください(^^)
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一級建築士事務所 設計処 櫻