Project アイディア01 健康住宅の提案
1.原因は暖かさの追求と換気の減少?!
日本の住宅の多くは木造建築です。これは古来から続いている日本の風土に適した工法です。同じ木造住宅なのに、昔には無くて今、ハウスシックが騒がれる要因は何なのでしょう。それは、接着剤や建材の開発が進み化学物質が多く使用されるようになったこと、また、暖かさや快適さを求めるため木造本来の「通気」を遮断したために「自然換気」が妨げられていることが一因と思われます。特に北国の住まいは高気密・高断熱が主流となってきています。そのため、室内換気が追いつかず、室内に揮発する化学物質の濃度が多くなっているものと考えられます。ここで北国での30年ほど前と現在の木造住宅を表にして比べてみましょう。
シックハウス症候群
ハウスシック症候群とは、新築の建材や新しい家具から揮発する化学物質(ホルムアルデヒド・トルエンなど7種類が認定されている)が原因といわれる、頭痛や吐き気、鼻血が出るなど様々な症状が起こる病気です。症状がひどい場合は、一般生活をおくるのも困難になります。現在、治療方法も確立されておらず、症状が現れない環境に移り住む人達もいるようです。最近では、「ハウスシック対策」をされた公共住宅なども建設されています。
比較項目 30年前の住宅 現在の住宅
工法 木造軸組造+充填断熱工法が主流 木造軸組造や木造枠組造、プレハブ造など+充填断熱工法や外貼り断熱工法など
基礎 通常の基礎及び換気孔による床下の自然換気 基礎形状は同左。ただし基礎を断熱するため床下の自然換気は無い場合がある。
木材 天然木の乾燥材使用 接着剤を使用した集成材も使用される(ノンホルムのもの有)
内装材 天然素材だけではないが、多くは天然素材が使用されている。(中にはアスベストなと後に発ガン性があるとわかり撤去したものもある) 内装は様々だが、ビニールクロスや木質フロアなど、天然ではない素材がたくさん使用されます。(最近はノンホルムや低ホルムといったものが主流になっています)
換気 各部屋につけるレジスターや木造本来の通気性(悪く言えばすきま風)により、室内の換気がなされている。 気密性能が良いために、通気が全て遮断されているため、窓を開ける換気の他には換気を望めない。

2.どうやったら防げる?〜家族を守るために〜
暖かさや快適さを求めるのは北国の住まいにとっては大切なことです。冬期間の暖房費の節減は家計において重要なことですし、家族の健康を維持することは最も大切なことです。その両立をどうしたら解決できるか?暖かさを求めるには高気密工事が必要です。そして、家族の健康を化学物質から守るには換気が必要です。換気による冬期間の暖房効率を良くするには、熱交換方式による換気システムの導入が必要です。また、換気システムを導入する際には、気密工事は欠かせないものです(従来の工法だと換気効率があまりよくありません)。しかし、このような事を考えていくと、どんどん建築費用が割高になってきます。

大切なのは、『あなたとあなたの家族に必要なことなのかどうか』ということです。その必要な範囲や価格について私たち設計士が共に考え、提案します。

3.健康住宅参考例
  1. 使用材を吟味する
    建築時に使用する建材・内装材や接着剤を、天然素材やノンホルム及び低ホルムのものとする。最近では、各メーカーで様々な商品を提供していますので比較しやすくなっています。
  2. 換気システムを導入する
    室内換気、特に暖房時の換気を促進するため24時間換気システムを使う。最近では熱交換方式による、電気代節約・省エネ設計の商品も多数発売されています。
  3. 高気密住宅とする
    換気システムを導入する際は、高気密住宅にすることをお勧めします。それは、気密性能が低い住宅では換気システムの効率が悪くなり、充分な換気を望めないことがあるからです。
  4. 家具への配慮
    室内に置く家具などからも化学物質が揮発しています。いくら建材などに配慮しても身近にある家具から揮発していては意味がありません。最近では低ホルムの家具などが販売されているようですが、全てにおいてそうであるわけではありません。そうなると、やはり換気システムが有効となります。
  5. 冬暖かく夏は涼しく、建物内での通風を考えたプランニング住まいやすさの提案参照)をすることをお勧めします。


一級建築士事務所 設計処 櫻